奥田隆一郎が自ら語る、「直結理論」とは?

スポーツマスターで初めて「直結理論」を知ったという方もいらっしゃいますので、ご本人に詳しく訊いてまいりました。
奥田さん自ら語る「直結理論とは?」、ぜひご覧ください。

Sportsmaster本田(以下、本) 会員様のなかに、最近になって奥田さんの「直結式」を知ったという方がけっこういらっしゃいまして。

奥田隆一郎(以下、奥) スポーツマスターさんで知ったのかな?

本 そうみたいです。「直結式」を詳しく知りたいという方からお問いあわせが増えておりまして。

奥 あれ、本を読んでな……

本 あ〜、あ〜! そこはほら、なんというか改めて奥田さんの口からご説明いただこうかなと。

奥 いや、だから本を読んで……

本 まあまあまあまあ。というわけでひとつお願いします。それでは始めましょう「直結式」とは? スタートです。

奥 本を……

本 いいですから、それでは、お願いします!

奥 まあ、いいですけどね(苦笑)。では話していきますね。競馬の予想って、基本的には適性論なんですよ。全国にはJRAの競馬場が全部で10個あって、それぞれコース形態が違いますよね。小回り、急坂、直線の長さ、コーナーの角度、スタート直後の坂とか、まあ言い出したらキリがないですけど。

本 そうですね。その10個の競馬場にまた色々な距離が設定されていて。

奥 そう。例えば同じ芝2000mにしても、中山芝2000mと札幌芝2000mとでは全然コース形態が違いますよね。

本 そうですね。中山のほうは内回りでゴール前に急坂があったり……。

奥 で、札幌はコーナーの角度が大きくて円をずっと回っていくようなコース設計で。洋芝と野芝の違いというのもありますし。要は同じ距離であっても、上手く走るために求められる能力が違うんですよ。

本 中山だったら最後の急坂で踏ん張れるタフさだったり、札幌だったらスムーズにコーナーを回れるみたいな。

奥 まあ、ごくごく簡単に言うと。こういうふうに求められるものが違うということ、つまりこれが適性の差なんです。

本 中山ではさっぱりなのに、札幌にコース替わりした途端に水を得た魚のように激走しちゃう馬いますもんね。

奥 その一方で求められる適性が同じ、あるいは同じとは言わないまでも似ているコースもありますよね。中山芝2000mの場合だったら、阪神芝2000mとか。

本 ああ、同じ内回りコースで、直線に急坂があってという。

奥 そうです。「直結式馬券術」では、そういう同じような適性が求められるコースを「直結コース」呼んでいるんです。もちろんコース形態だけじゃなくて、ローテーションなんかも関係してくるので、コース形態が似ている=直結コースというわけでもないんですけれど。

本 なるほど。だからどういうコースで上手に走れた(=激走した)のかがわかれば、その馬がどういう適性を持っているのかがわかると。

奥 その通り。例えばクラシックシーズン、3歳の関西馬で小倉芝1800mで7着、京都芝2000mで2着、阪神芝1800mで1着、中京芝1600mで4着、阪神芝2000mで1着という戦歴の馬が皐月賞に挑戦してくるとしましょう。

本 中山芝2000mは未経験の馬ですね。

奥 そうそう。ただ、未経験ながらも中山芝2000mの直結コースである京都芝2000m、阪神芝1800m、阪神芝2000mで激走(馬券に絡む走りを)しているから、中山芝2000mに対するコース適性が高いとわかると。


本 つまり過去の戦績から、その馬が今後どういうコースで激走するのかまでわかっちゃうというわけですね。

奥 そういうことです。JRAはきっちりとクラス分けがされていて、同じような能力の馬同士が戦うシステムになっていますよね? となると、勝ち負けを決するのは適性の差になるんです。

本 その適性の差さえ掴めば馬券的中への道が開けると。

奥 それだけじゃなくて、さっきみたいなコース未経験の馬の適性がわかったり、近走、直結しないコースで惨敗続きの馬でも、過去に直結コースの激走があれば、今回適性のあるコースで巻き返してくる可能性は高いと判断することもできる。そういった馬たちは基本的には人気にならないでしょうし。

本 おお、高配当が期待できると。これが奥田さんに高配当的中が多いメカニズムか〜。

奥 これが「直結式馬券術」の基本理論ですね。

本 ちなみにどのクラスでも直結コースは同じなんですか?

奥 いや、クラスによって違いますし、あと2、3歳限定戦と古馬(混合)とでも違います。具体的には「2、3歳限定戦」、「古馬下級条件(〜1000万下)」、「古馬上級条件(1600万下〜)」の3パターンがあります。やはり2、3歳と古馬ではローテーションも違いますし、古馬でもクラスによって道中の厳しさが違うので。

本 下級条件と上級条件とでは的中率も変わってきます?

奥 そういう見方をしたことがないので的中率はわからないですけど、厳しいレースのほうが適性があらわになりやすいというのはあります。未勝利みたいな下級条件だと、紛れが起こりやすかったり、そもそもの能力に差がありすぎたり、経験不足すぎたりと適性云々の話以前の問題ということが多いので。ですから【直結式 勝負予想】では未勝利は配信していません。

本 ああ、なるほど。反対にG1みたいにどの馬も能力が高くてギリギリのところで戦っていると、最後にものを言うのは適性になるという。

奥 まあ、そうですね。G1のように高いレベルで同じような能力の馬が集まるレースでは、適性で差がつくというか。

本 お話をうかがってよくわかりました。同じような適性が求められるコース=直結コースで、その直結コースを過去に激走している馬は今回予想するコースに対する適性もある。つまり好走が期待できる。

奥 はい。

本 仮に近走で大敗続きでもそれが直結コースでないなら、つまり能力を発揮できるコースでないなら無視。むしろ過去に直結コースの激走があるなら、穴馬として魅力的。

奥 素晴らしい。そういうことですね。それが基本となります。あとは予想するコースと同じコース(=同コース)と直結コースの両方で激走している馬は、よりコース適性が高い。複数の直結コースで激走している馬は、よりコース適性が高い。そういうテクニックというか、見方もあるので、そのあたりは【直結式 重賞対談】でもその都度話していきますので。

本 そうですね。【直結式 重賞対談】がいい参考書になるかもしれませんね。

奥 まあ、その前に本を読んでいただけたら……

本 そうなんですけど! そうなんですけど、ここでは置いておいてください(笑)。それでは奥田さん、わざわざありがとうございました。





【用語説明】
・直結理論=
今回予想するレース(コース)、あるいは似た適性が求められるコースでの激走を適性があると判断し、その適性馬を狙い撃つ理論。
・直結コース=今回予想するレース(コース)と似た適性が求められるコース。
・同コース=今回予想するレース(コース)と同じコース。
・激走=馬券圏内に走ること。G1の場合は5着まで激走と考えても良い
・同コース+直結コースの激走馬=より適性が高い馬
・複数の直結コースの激走馬=より適性が高い馬